ドラマ基本情報
| タイトル | 설강화 / Snowdrop |
|---|---|
| 放送 | JTBC 土・日 22:30~24:10 |
| 期間 | 2021年12月18日~2022年2月5日(予定) |
| 出演者 | チョン·ヘイン、ジス、ユ·インナ、チャン·スンジョ、ユン·セア、キム·ヘユン、チョン·ユジン 他 |
| リンク | ⇒公式HPリンク ⇒ナムウィキ (韓国語) |
「雪降花」のネタバレ無しの最終話まで観たざっと感想
放送終了から一週間も経ってますが、一昨日やっと観終わりました。取り合えず本国で起きている歴史歪曲論争はここではあまり語らず、ドラマとしての個人的な評価と感想をしますのでご了承を。韓国の歴史歪曲を語れる程、私も韓国の歴史をまだまだ知らないので、勉強しないとです。いや～、凄まじいドラマだった…（笑）
ロマンティックなストーリーはたったの第4話まで。後は女子学生寮が戦場と化す。
極限の中で自分（または自分の家族）の事だけしか考えない人間と、全ての人を助けたい人間の極。全く自分の欲の事しか考えない人達ばかりです…。
中でも酷いのは安企部のトップ2人と愛民党事務総長とその妻たち…。その中でも安企部長はまだマシな部分はあったものの、結局最終的には自分の娘だけ助かればいいだけで他の男二人とあまり変わらず、そしてその妻たちは、自分達の名誉と夫の地位だけ考え他の者の失敗を笑い蹴落とす、もっと浅ましい人達！
寮の中ではケ・ブンオクがかなりひねくれた性格の持ち主で、自分だけ必死に助かろうとするために人質の学生達の和を乱し、かなりのトラブルメーカー！同じくひねくれたヤロウの北側の工作員とラブラインが見えたのは、ひねくれた同士だと恋心も芽生えたりするものか？と、少し笑えもしそうなシチュエーションだけど…。
本当に他人の事を考えていたのは主人公のイスホ、ウン・ヨンロ、安企部チーム長のイ・ガンム、あとピ寮長だけでしたね。
極限の中の人間達の黒い欲望と心理が見えるドラマでした。
そういったところで、主人公達のロマンスは完全にオマケのように若干取って付けたように見えました。
あと、正体不明人物多過ぎ！（笑）あの人が実はこんな人だった！、この人は実はこんな人だった！という人物が何故か女子寮に集まり、正体不明人物の正体が明かされる祭でした…（笑）ちょっとこれも取って付けた感はありますが、個人的にはその正体暴露祭が物凄く面白かったです（笑）
どうも中国から物凄い出資を受けたドラマのようで、そのせいか最近のドラマで頭痛の種だったPPLが全く無いという奇跡のドラマでPPLのストレス無しに観る事が出来て最高でした！歴史ドラマだからPPLしようにも出来ないか（笑）
結末は賛否があるのではないかな、と思います。ここでは多くは語りませんが、個人的にはアリかな、と思ってます。
「雪降花」の最終話まで観たネタバレ込みの感想
↓ここからはネタバレが含まれますので最終話まで観た人だけご覧ください。これから観る予定の方は絶対に観ない事をお勧めします。
■主人公の結末について
チョン・ヘインさんのファンの方々、大丈夫ですか～？！
といった切ない終わり方でした…。
ドラマにしては珍しい映画的な結末でビックリです。映画シークレット・ミッションを思い出しました。ドラマでもこんな夢の無い終わり方をする事があるんだと。私の観るドラマはSadエンドはあまり無いから。でもそんな哀しみな最後を怒り哀しむファン達の媚を売るかのような、スホがヨンロの側でギターを弾き歌うがオマケ映像が流れていたけど…（爆）一瞬、生きてんの？死んでんの？って混乱しました（爆）メインキャラをあの結果にしてしまった罪滅ぼし？視聴者の精神的ショックをあれで少しでも和らげるために…。
個人的には三億ドルの銀行口座の秘密番号を知っているだけでヨンロは北スパイをかくまった罪は問われなかったのであろうか…と謎…。しかもその暗証番号も医者先生とスホが出会った日？って言ってたから知らない筈だし…？しかし医者先生スパイもスホと出会った日を暗証番号にするとは意外と乙女だな…と思った（笑）
主題が北朝鮮の工作員だからハッピーエンドじゃないのも無理はないかも。北朝鮮美化に批判が多かったこのドラマでこの結末になったのも無理もないかもしれない。第三国に逃げてヨンロと幸せに暮らすような、愛の不時着的な結末には残念ながらならなかった。
北朝鮮スパイもそうだけど、学生運動をする者達を弾圧し拷問し最悪殺した安企部が少しでも美しく書かれている事というのは、歴史に関わっていない私でも人々の怒りを買うのも仕方がない…と思わざる得ない。
■登場人物の正体暴露大会について
まあ、そんなこんなの議論が多いドラマではあったけれど、そんな話は一切抜きにして「ドラマ」として見てみると…。正体暴露達の多さに驚愕！
伏線が少なからず見える人物もいたけど、伏線無しにいきなり別の正体を出す人物も。
もうブルータスお前もか！状態祭。
トップバッターは女主人公のヨンロ。第4話の終わりで安企部会長の娘という事が明らかになりました。その次はナン・テイルの不倫相手で専属医師のカン先生は「モランボン1号」というコードが付いた北朝鮮のスパイ！しかもなんだかスホ達よりも位が高いような感じ。
次は給食のおばさんも実は精神衰弱した北朝鮮のスパイで、
そしてスホも実は北朝鮮統一戦線部部長の息子で…でも本当は実の息子じゃなくて。捨てた実の息子だと知らずに「殺せ」と指示を下した国家安全保衛部副部長の息子！
極めつけは凄く情がありそうで弱そうな門番のおじさんが30年間人を殺し続けた冷酷な北朝鮮のスパイ！これが一番のこのドラマのどんでん返し！！
ピ舍監（寮長）は安企部と繋がって寮を盗聴してたという事実、そして婚約者が親北朝鮮教授の教え子であったため韓国に帰ってから安企部（アン室長）に拷問を受け、親友だったケブンオクの姉が自分の婚約者の子を身籠った事を知り、安企部に密告して自分の命が助かりケブンオクの姉が拷問に苦しみ自殺した事実が分かった。婚約者は植物人間で病院費を払いに行っていたのが月に一度の謎の外出。この事実は伏線の映像が流れていたのであまりビックリはしなかったけど…。
ちなみに日本では焼き肉のタレの印象が強い「モランボン」（笑）確かに北朝鮮に「モランボン楽団」というのがあるなと思い、ボン（봉）が「峰」という意味があるのを思い出してモランボンが何かの山なのかと気が付き調べたら、모란봉（牡丹峰）という峰があり、北朝鮮にモランボンという名の地域があるそうです。だけどモランボン一号がどれくらい地位が高いのか調べたかったのですが、架空の名前だからかどうか、結局分かりませんでした…（爆）実はスパイっぽいなって目線を既に見せていたカン医者先生でしたが、まさかの位の高いスパイだったようで、裏の顔の愛人キャラの位の高いスパイ役、カッコ良かったです（笑）スホのコードは「大東江1号」で、大東江は北朝鮮平壌に流れる大きな川。
■スホとヨンロのロマンスについて
4話までのロマンスが嘘のような5話以降のまさかの急展開。負傷して安危部に追われ女子寮に転がり込んだスホをヨンロが匿った時はスパイじゃないと信じていたが、改めて寮に入って来た時は北朝鮮のスパイだったと分かる。民主化運動の学生どころか、まさかスパイだと知らずに学生達を危機に陥れたスホ、そして実兄が北朝鮮スパイとの闘争で命を落とした事を知ると憎しみの目でスホ見ていたのに…。10話で北に捨てられた様のスホに同情したのか、急速にロマンスが戻ってビックリ！え！あんなに憎しみの目で見ていたのに！？＾＾；
しかしこんな極限的なシーンの局地であるドラマにロマンスが全く無いと、女子視聴者としては休む事も出来ないので必要な要素だな…と思います。男子視聴者的には無くてもいい要素かもしれない（笑）
■出演者について
女主人公のBLACKPINKのジスの演技には賛否があると聞いたけれど、私からしたらまあまあいい感じでは？と思いました。何よりも可愛い。しかし、そもそもこのドラマで目立っていた役者はジス以外の登場人物達で、ジスは準主人公にも掛からわず、4話以降はセリフも少ないし演技的には他の壮絶な役者達に飲まれて存在感が薄い。しかし、ただただ、可愛い（笑）安企部のトップの娘でありながら純粋で人を思いやれる性格も他の登場人物が自分の事しか考えないのに比較して性格の良さを際立たせる。北と南の騙し合い合戦が目立つ話だけど、ドラマはヨンロの恋心で始まり、ヨンロの恋で終わった。だからヨンロの役割の存在はかなり重要な事は確か。
■個人的に感動したシーン
今回はロマンスは取って付けた感が否めなかったのであまりグッと来ませんでした。それよりスホが最後にイガンムに放った「ヒョン（兄貴）」と呼びかけた言葉がグッと来ましたね…。そんな北のスパイと南の安企部の友情物語なんて、それこそ物凄い美化だと批判がありそうですが…（爆）
■その他
初期から絶賛していたのは映像と音楽の美しさ。3話までの明るい話はもちろん、4話以降の物々しい話でも寮内という限られた暗い空間に差し込む外からの光がとても美しい映像でした。湖水女子大学のモデルが梨花女子大ではないか？との話もあるようで、私の語学留学先だったのもあり嬉しいです。似ているとは思っていたけれど。
ストーリー的には北と南や寮内の人質同士でも若干騙し騙されの心理戦で同じような状況が続く部分は緊張状態が続き過ぎて途中飽きる部分がある感じはする。そんな緊張状態を和らげるようにトボけた男2人の人質とか、北と南のチキンの文化の違いとか細かい笑いを散りばめてる感じはするけど。
北に捨てられたスホ。育ての父と実の母に見切りを付けられたスホ。可哀そうだからせめて実の母がスホが実の息子だったという事実を知り、自分が「殺せ」と命じた事を悔んだり哀しむシーンや和解シーンが欲しかった。切なすぎる。
色んな意味で話題作であるドラマです。是非機会があればご覧ください～！
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